死滅は難しい
ミュータンス菌がいなければ、虫歯になることはありません。
しかしながら、一旦ミュータンス菌に感染しましたら、死滅させることは難しいのです。
ミュータンス菌はおよそ1ミクロンの大きさしかありませんし、歯の表面は構造上でこぼこが多くなっています。
PMTCによって徹底的にクリーニングしましても完全に死滅させることは難しいと言われています。
研究報告によりますと、過去に虫歯の治療を何度も受けた人、また重度の歯周病の人は、PMTCを受けましても糖分が口の中に入りますと数日のうちにミュータンス菌が増殖して元の状態に戻ってしまうそうです。
ミュータンス菌の中には、キシリトールをその菌体内に取り込む感受性菌と、取り込まない非感受性菌の2種類がありますが、その比率は9:1になっているそうです。
感受性菌は、他の糖類と同様にキシリトールを菌体内に取り込みますが、これを代謝する酵素を持っていませんから他の糖代謝経路が阻害され、ミュータンス菌自体が栄養不足状態となり死滅するということです。
その結果、感受性菌の数は減少していきます。一方、非感受性菌は、キシリトールを菌体内に取り込むことはできませんから、死滅することはありません。
ただし、感受性菌に比べますと虫歯の原因となる酸と粘着性の高いグルカンの産生能力は低い菌ですから、虫歯を発症させる確率は低くなります。
ミュータンス菌を口の中から追い出しますと、つまり除菌できますと、虫歯の危険性を下げることができると、国立感染症研究所の研究で明らかにされています。
歯を磨いてないのに虫歯にならないという人のだ液を調べますと、ミュータンス菌が口の中にまったくいないか、いましてもほんの少しだそうです。
これは、生後3歳までに親の口からミュータンス菌の感染がなかった結果だということです。
ミュータンス菌はバイオフィルムという細菌膜を歯の表面に形成していて、飲み薬や塗り薬が効かない環境を作っているのですす。
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